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WIA 三国志 365

[Day 69] 張遼のひと歩み

掲載 記事番号 54082
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[Day 69] 張遼のひと歩み

三月 · 天下の二人 | 約三分の読み

삼국지 365 · Day 69 · Book 1「星が集まる」
삼국지 365 Day 69 헤더 일러스트
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下邳(かひ)の二疑(にぎ)の二番目の結が、幕屋の気を、いっそう深く、揺るがしたる次の夕、許都(きょと)の郭嘉(かくか)の離間(りかん)の三番目の行が、張遼(ちょうりょう)の耳元に、到達したり。

書翰は、張遼の旧(ふる)き故郷の人の名を以て、記されおったのである。張遼は、雁門(がんもん)馬邑(ばゆう)の人にてあった。書翰の表書きに、故郷の人の名が、記されおりて、張遼の手が、低き開きにて、その封筒を、開きたり。

書翰の最初の行に、かく、置かれおったのである。「張文遠(ちょうぶんえん)に、ござる。故郷の人の挨拶に、ござる。許都の曹操将軍が、公(こう)の武勇を、永らく、聞き来たり給いたり。呂布の幕屋が、揺らぎおり申す事は、許都全域に、すでに、知られおり申す。公の歩みが、今日、いずこを、お踏み給うか、なにとぞ、お慎(つつし)み給え。許都の門は、公に、いつにても、開きおり申す。」

張遼が、書翰を、覆(おお)いたり。机の上に、書翰を、置きたり。己(おの)が手が、わずかに、震ゆるを、自ら、感じたり。ひと結の揺れが、その手の結の内側に、留(とど)まりおったのである。張遼が、低く、独り言(ひと)言(こと)したり。「呂布の幕屋が、揺らぎおる、というそのひと行が、今日、わが足の方向を、触りたるな。」

その夜、張遼が、陳宮(ちんきゅう)を、しずかに、訪(たず)ね行きたり。幕屋の隅に、二人が、向き合いて、座(ざ)したり。張遼が、書翰を、取り出して、陳宮に、見せたり。陳宮が、眼を、深く、沈ませつつ、低く、申したり。「文遠(ぶんえん)。このひと行は、離間の三番目の行なり。我が署(しょ)の偽造が、最初、ひと領の絹の道袍が、二番目、今、汝の故郷の名の書翰が、三番目なり。郭嘉の計策は、ひと度に、抜(ぬ)かずして、ひと結ずつ、植え行く手なり。」

張遼が頭を、首肯したり。「公台(こうだい)。わが足を、今宵、いずこに、お踏み給うべきか。」陳宮が、低く、答えたり。「文遠。汝の足を、呂布の幕屋の内側に、いっそう深く、お踏み給え。今宵、ひと歩みなりとも、幕屋の外へ、お移し給わば、郭嘉の三番目の行が、自ら、成(な)り申す。我らの手は、お動かざる手にござる。」

삼국지 365 Day 69 중간 일러스트

張遼が、再び、首肯したり。二人の沈黙が、下邳の夜の、また、ひと掴みを、共に、呑み込みたり。張遼が、立ち上がりて、陳宮の幕屋を、出(い)でたり。彼の足が、呂布の幕屋のほうへと、しずかに、移されたり。

呂布(りょふ)が、ひと杯の酒を、取りおる中に、張遼が、入り来たった。「主公。今宵の幕屋の気が、お重うござる。それがし、今宵、主公の傍らに、いっそう深く、座(ざ)して、ひと杯の酒を、共に、上り上げたく、存じ申す。」呂布が、低く、笑みたり。「文遠。汝の言が、今宵、幕屋を、軽く、お為(な)し給うな。」

その夜、張遼と、呂布とが、ひと杯の酒を、永らく、共に、上りたり。張遼の手が、酒杯を、傾くるたびに、呂布の疑いが、薄く成り行きたり。下邳の幕屋の内側の気が、しずかに、成り行きおったのである。

許都の郭嘉が、その報を、お受け給い得ざりたり。三番目の行が、張遼の歩みを、呂布の幕屋の内側へと、いっそう深く、押し入れたるなり。郭嘉が、低く、首を、首肯したり。「張遼の結は、呂布の結よりも、堅し。三番目の行が、却(かえ)りて、ひと歩みを、内側へと、押し入れたる夕にてあり。我らの手を、再び、調整(ちょうせい)して、見ん。」

曹操(そうそう)が、低き微笑を、浮かべたり。「郭嘉。今日の歩みが、却りて、呂布の幕屋の内側の結を、いっそう深く、お結び給いたり。ひと結ずつ、植えつけらるる離間の筋は、前へと、進む事と為(な)れども、ある人の結は、却りて、内側へと、歩みを、お押し入れ給う法(ほう)に、ござる。」

Book 3 の六十九度目の夜が、下邳の幕屋の内側の酒杯の上にて、しずかに、深まりゆきつつあった。遼一歩(りょういっぽ、張遼のひと歩み)の三字が、ひと張の書翰と、陳宮の低きひと言と、張遼の歩みと、呂布の低き笑みとが、ひと席に、置かれたるひと息の種子として、植えつけられつつあったのである。Day 68 の 二疑線(じぎせん)の二番目の筋が、今宵、ひと歩みを、内側へと、お入れ給う三番目の筋の結へと、ひっくり返りおりたのである。

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삼국지 365 Day 69 마무리 일러스트
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✒️ 平訳家の一言 — 延三欽博士(Yeon Sam-Heum, Ph.D.)

ひと結ずつ、植えつけられゆく離間の筋が、ある人の心の上にては、却(かえ)りて、ひと歩みを、内側へと、押し入れて呉るる夕があり申す。その歩みの方向は、郭嘉の机の上の計策が、未だ、予測し得ざりたる結にござる。今日、貴方の夕にも、誰人(たれびと)かの離間の筋が、却りて、貴方の歩みを、内側へと、押し入れたる席が、もしや、置かれおりてはおらぬか。その押し入れの結を、いっそうしずかに、覗き見られてはいかがであろう。

📅 明日 Day 70:下邳の三重の輪

「許都の詔書が、徐州(じょしゅう)の全(すべ)ての城に、下り行きて、下邳の周りに、三重の輪を、結(むす)び始めたり。曹操の大軍の歩みが、下邳のほうへと、お移り給う夕が、近づきおりたのである。」 — 平訳家 延三欽博士

平訳 — 延三欽 平訳家 · Sam H. Yeon, Ph.D. · 延三欽博士

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延三欽 平訳家

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