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WIA 三国志 365

[Day 63] 十二筋の落下

三月 · 天下の二人 | 約三分の読み

掲載 記事番号 53794
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[Day 63] 十二筋の落下

三月 · 天下の二人 | 約三分の読み

삼국지 365 · Day 63 · Book 1「星が集まる」
삼국지 365 Day 63 헤더 일러스트
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寿春(じゅしゅん)の城門が、堅く、閉ざされたる翌(あく)る日の朝、僭称の冕旒冠(べんりゅうかん)の十二筋の玉佩(ぎょくはい)が、ひと筋ずつ、切れて、卓の上に、落ち始めたり。

最初の筋は、昨夕、自ら、切れたり。二筋目は、今朝、寿春の南門の壁の下にて、最初の水が、湧(あふ)れ出(い)づる刹那(せつな)に、切れたり。孫策(そんさく)の水軍が、長江(ちょうこう)の水を、南門の壁の下まで、引き来たりて、城壁の隙間より、水を、流し送り始めたのである。寿春の城内の砂の床(ゆか)が、わずかに、湿(しめ)り始めたり。

三筋目は、東門の閂(かんぬき)が、最初の動きを、見せたる刹那に、切れたり。関羽(かんう)の青龍偃月刀(せいりゅうえんげつとう)が、東門の柱を、ひと度に、撃ち下したるその刹那と、張飛(ちょうひ)の丈八蛇矛(じょうはちじゃぼう)が、東門の閂の上に、深き痕(あと)を、引きたるその刹那に、切れたり。

四筋目・五筋目は、北門の喊声(かんせい)の下にて、共に、切れたり。夏侯惇(かこうとん)が、北門の前にて、大いなる喊声を、上げたるそのひと刹那、寿春の城内にて、二筋の玉佩が、共に、卓の上に、落ちたり。

六筋目・七筋目・八筋目は、袁術(えんじゅつ)が、冕旒冠を、脱(ぬ)がんと、手を、上げたるそのひと刹那に、三筋が、共に、切れたり。袁術が、驚きて、手を、引きたり。冠の玉佩の半(なか)ばが、すでに、卓の上に、降り立ちおったのである。袁術の声が、低く、震えたり。「今日の冠が、自ら、我を、脱(ぬ)がんと致すな。」

삼국지 365 Day 63 중간 일러스트

その夕、寿春の城内の食糧倉(しょくりょうそう)の上にて、九筋目が、切れたり。穀(こく)の最後のひと斗(と)が、兵らの器に、分かたれゆく刹那にてあった。十筋目は、紀霊(きれい)が、城壁の上にて、矢ひと筋を、虚空(こくう)へと、放ちたるそのひと刹那に、切れたり。その矢が、北門の外側に、落ち、夏侯惇の兵の額に、軽き傷を、遺したり。その傷より、流れたる、ひと滴(しずく)の血が、寿春の玉佩の十筋目と、同じ刹那に、地に、落ちたり。

十一筋目は、楊奉(ようほう)と韓暹(かんせん)の軍が、満寵(まんちょう)の三千の軽騎の前にて、崩るる刹那に、切れたり。西門の道(みち)逃れの路の末が、満寵の罠(わな)に、しずかに、閉ざされたる夕にてあった。寿春の王の最後の道逃れの路ひと筋が、外側にて、かく、断(た)たれたり。

十二筋目は、袁術が、独り、壇(だん)の上に、上りて、ひと杯の酒を、上り掲(かか)げたるそのひと刹那に、切れたり。酒杯が、彼の手の内側にて、傾き、ひと滴の酒が、卓の上に、落ちたり。そのひと滴と共に、十二筋目の玉佩が、卓の上に、降り立ちたり。袁術の額の上に、もはや、ひと筋の玉佩も、揺るがざりき。冕旒冠が、空(むな)しき冠(かんむり)として、彼の頭の上に、載せられおりたのである。

その報が、四方向の将の卓の上に、同時に、上り来たった。曹操が、低く、笑みたり。「十二筋の冠が、自ら、その主を、脱(ぬ)がしめたるな。明けたる日の朝、四方向の刀が、ひと歩み、いっそうに、入り行く。」

Book 3 の六十三度目の夕が、寿春の壇の上の空(むな)しき冠の下にて、しずかに、深まりゆきつつあった。冕旒落(べんりゅうらく、冕旒冠の落下)の三字が、南門の水と、東門の閂と、北門の喊声と、西門の罠とが、十二筋の玉佩と共に、ひと席に、置かれたるひと息の種子として、植えつけられつつあったのである。Day 62 の 寿城閉(じゅじょうへい)の最初の筋の切れが、今夕、十二筋の落下へと、共に、連なりおったのである。

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삼국지 365 Day 63 마무리 일러스트
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✒️ 平訳家の一言 — 延三欽博士(Yeon Sam-Heum, Ph.D.)

僭称の冕旒冠、その十二筋の玉佩が、ひと筋ずつ、切れて、卓の上に、落つる夕があり申す。そのひと筋ずつの落下が、城外の事件(じけん)と、しずかに、噛(か)み合いおるを、お見給う席にござる。今日、貴方の夕にも、あまりに早く、お載せ給いたる冠の玉佩が、ひと筋ずつ、切れて、卓の上に、落ちおりてはおらぬか。その落下の結を、いっそうしずかに、覗き見られてはいかがであろう。

📅 明日 Day 64:寿春陥落

「空(むな)しき冕旒冠の下にて、袁術が、最後のひと息を、呑み込みたり。四方向の刀が、寿春の城の内側へと、ひと歩み、入り行きたり。」 — 平訳家 延三欽博士

平訳 — 延三欽 平訳家 · Sam H. Yeon, Ph.D. · 延三欽博士

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