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WIA 三国志 365

[Day 53] 許都の最初の朝

二月 · 主なき刀 | 約三分の読み

掲載 記事番号 52258
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[Day 53] 許都の最初の朝

二月 · 主なき刀 | 約三分の読み

삼국지 365 · Day 53 · Book 1「星が集まる」
삼국지 365 Day 53 헤더 일러스트

献帝(けんてい)の御車(おくるま)が、許昌(きょしょう)に到達したる翌(あく)る日の朝、朝廷の最初の朝会(ちょうかい)が、許都の正殿(せいでん)の上にて、開かれたり。洛陽の灰の塊を、後ろに遺し、移り来たりたる天子の御座(ぎょざ)が、許都の新たなる柱の間に、置かれおったのである。

正殿の階(きざはし)の下に、曹操(そうそう)の甲冑(かっちゅう)が、整然と、立ちおったのである。曹操が、大将軍(たいしょうぐん)の席に、進み出(い)でて、天子の傍らに、立ちたり。左右には、荀彧(じゅんいく)・程昱(ていいく)・郭嘉(かくか)・荀攸(じゅんゆう)の四謀士が、低き頭を、順に、垂れおったのである。百官(ひゃっかん)が、階の下に、左右に、列を、成(な)したのである。

献帝が、玉座(ぎょくざ)の上にて、低き息を、平らかに、呑み込みたり。ひと年(ひととせ)近く、路の上に、漂いおりたる皇帝の身が、正殿の静けさの内側に、初めて、置かるる朝にてあった。侍従(じじゅう)の手が、ひと張の詔書(しょうしょ)を、奉じて、御座の前に、上りたり。詔書の印(いん)の席に、玉璽(ぎょくじ)が、押されおったのである。昨夕、荀彧が、記し置きたる最初の行の詔書が、暁(あかつき)の息の後に、天子の手を、経て、下り行く朝にてあった。

「奉常(ほうじょう)曹孟徳(そうもうとく)を、大将軍(たいしょうぐん)に、封(ほう)じ、武平侯(ぶへいこう)の爵(しゃく)を、下す。」曹操が頭を、深く、垂れたり。垂れたる、彼の背の後ろのほうにて、百官が、共に、低く、腰を、屈(かが)めたり。許都の最初の朝会の最初の詔書が、かくして、ひと人の肩の上に、降り立ちたり。

詔書の二番目の行が、続きたり。「荀彧を、侍中(じちゅう)・尚書令(しょうしょれい)と為す。」荀彧が頭を、深く、垂れたり。昨夕、己が筆が、記し置きたる最初の行が、今朝、己が身の上に、最も先(ま)ず、降り立つを、感じおりたのである。計策の最初の行を、記したる人は、その計策の最初の重みを、最も先に、己が肩に、受くる。静けさの内側のひと結の覚りが、荀彧の胸の内側を、過ぎ行きたのである。

삼국지 365 Day 53 중간 일러스트

詔書が、続きて、連なりたり。曹洪(そうこう)・曹仁(そうじん)・夏侯惇(かこうとん)・夏侯淵(かこうえん)・楽進(がくしん)・李典(りてん)・于禁(うきん)・徐晃(じょこう)の八将が、各々(おのおの)職の名を、受けたり。程昱(ていいく)が、東平相(とうへいしょう)と為り、郭嘉(かくか)が、司空祭酒(しくうさいしゅ)と為り、荀攸(じゅんゆう)が、軍師(ぐんし)と為り、劉曄(りゅうよう)が、司空掾曹(しくうえんそう)と為り、上りたり。董昭(とうしょう)は、洛陽令(らくようれい)と為り、満寵(まんちょう)は、許都令(きょとれい)と、立てられたり。ひと人の名が、呼ばるる毎(ごと)に、その人の頭が、低く、垂れられたり。許都の正殿が、曹操の名の蔭(かげ)の下に、しずかに、覆われゆきおったのである。

朝会の終わりたる後、曹操が、荀彧の手を、取りたり。「文若(ぶんじゃく)。昨夕、汝が、記し給いたる最初の行が、今朝、かく降り来たりたり。今より、朝廷の長き日々を、汝が、前のほうにて、お開きゆき給え。」荀彧が、しずかに、頭を、垂れたり。許都の最初の朝の縁(へり)が、二人の握りたる手の内側に、しずかに、置かれおったのである。

ひと方、許都の城門の外側にては、洛陽より、御車を、護衛し来たりたる董承(とうしょう)の刀が、物言わずに、虚空(こくう)を向きおりたのである。己が功(こう)が、詔書の、いずれの行にも、呼ばれざりたる朝にてあった。御車の輪を、八百里、転(ころ)がしたる、己が名が、許都の最初の朝会の、いずれの席にも、置かれざりたる事が、董承の胸の内側に、しずかに、刺さりおったのである。董承の息の塞(ふさ)がりが、遥(はる)かなる後の日に、渡されゆく、ひと張の衣の裾の最初の糸と、為(な)りおったのである。

Book 2 の五十三度目の朝が、許都の正殿の上にて、しずかに、開かれゆきおったのである。許都朝(きょとちょう、許都の最初の朝会)の三字が、皇帝の新たなる御座と、大将軍の最初の礼と、年経たる武将の物言わぬ刀とが、ひと席に、置かれたる息の種子として、植えつけられつつあったのである。Day 52 の 奉令一(ほうれいいち)の最初の行が、今朝、玉璽の印の席の上に、置かれおったのである。

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삼국지 365 Day 53 마무리 일러스트
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✒️ 平訳家の一言 — 延三欽博士(Yeon Sam-Heum, Ph.D.)

ひと人が、記し置きたる最初の行が、明けたる日の朝、その人の肩の上に、最も先(ま)ず、降り立つ席があり申す。朝廷の詔書の最初の行を、書きたる人は、その朝廷の最初の重みを、最も先に、己が身の上に、受くる人にござる。今朝、貴方の肩の上にも、昨夕、貴方の筆が、書きたる最初の行が、もしや、降り来たりおりてはおらぬか。その降り立ちの結を、ひと結いっそうしずかに、覗き見られてはいかがであろう。

📅 明日 Day 54:二虎の食み合い

「荀彧が、再び、低き計策を、曹操の耳元に、上りたり。呂布と劉備とを、互いに、食み合わしむる、二虎競食(じこきょうしょく)の最初の手にてあった。」 — 平訳家 延三欽博士

平訳 — 延三欽 平訳家 · Sam H. Yeon, Ph.D. · 延三欽博士

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延三欽 平訳家

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