文 Columnist Kim Mi-hee

マッサージの前に、まず準備しておくこと
現場で私が最初にするのは、手を動かすことではなく、雰囲気をつくることです。部屋の大きな明かりは消してスタンドを一つだけ灯し、ふんわりとしたタオルを二、三枚用意しておきます。お年寄りは体が冷えやすく、慣れない刺激にすぐ緊張してしまわれるので、手が触れる前から「さあ、ゆっくり休む時間ですよ」という合図をお送りすることが大切だと感じています。準備が整うと、それだけでもう心が半分ほどほぐれていくのを、よく目にします。
ご家庭で介護されている方は、「やってあげなくては」という思いから、忙しい合間に慌てて始めてしまいがちです。洗い物を終えたばかりの冷たい手でいきなり親御さんの腕をつかむと、お年寄りはびくっとして、かえって体に力が入ってしまいます。良かれと思って始めたのに、お互いにぎこちなくなってしまう瞬間です。ですから私は、始める前に手を温かいお湯に浸すか、両手をこすり合わせて十分に温めてから近づくようにしています。
オイルはたくさん要りません。手のひらに硬貨くらいの量を取り、両手でこすって温めてから使えば十分です。アロマオイルを使いたい場合は、必ず植物性オイルにごく薄く混ぜて使い、最初は手首の内側に少し塗って肌に問題がないか確かめてから始めてください。香りはお年寄りが好まれるかどうかを先に伺い、香りが負担になるようでしたら無香料のローションだけでも十分です。マッサージの中心は香りではなく手のぬくもりだということを、忘れずにいていただけたらと思います。
一つ目の手順、手と腕 ― いちばん慣れ親しんだところから始める
私はいつも手から始めます。手は一生のあいだ握手をし、誰かの手を握って生きてきた場所なので、ほかの部位よりも人の手のぬくもりを自然に受け入れてくれるからです。いきなり肩や脚から触れると体が驚いてしまいますが、まず手を包んで差し上げると、「ああ、この人は私を大切にしてくれているんだな」と心を開いてくださるのが伝わってきます。順番ひとつが、信頼を築く第一歩になるわけです。
手順はこうです。まずお年寄りの手を自分の両手のあいだに入れ、十数えるあいだ、ただ静かに包み込みます。次に、親指で手のひらの中央から外側へ、小さな円を描くようにゆっくりと広げ、指は一本ずつ付け根から先のほうへやさしくなでていきます。続いて手首からひじのほうへ、手のひら全体で長くなで上げ、力を抜いて軽くなで下ろします。この動作を三、四回繰り返せば大丈夫です。
ここでぜひ覚えておいていただきたいのは、「押す」のではなく「なでる」という感覚です。お年寄りの肌は薄く、あざができやすいので、こねるように揉んだり、ぎゅっと押したりする動作はしません。力は自分の手の重みが軽くかかる程度で十分です。施しながら「このくらいで大丈夫ですか?」と時折お尋ねすると、その短い会話がマッサージと同じくらい心を和ませることも多いのです。
二つ目の手順、肩と背中 ― 一日の重みがとどまる場所
手と腕がほぐれたら、肩へと移ります。横になって過ごす時間が長い方や、車いすに長く座っておられる方は、肩や首のまわりがすっかり固くなっていることが多いものです。体を思うように動かせないということは、想像以上に多くの緊張を体にため込ませます。だからこそ肩を包む手のぬくもりは、体が楽になる感覚とともに、「ひとりではない」という安心もお届けしてくれるのです。
現場でよく出会う場面があります。お年寄りを横向きに寝かせて差し上げると、背中に汗がにじんでいたり、シーツの跡が残っていたりします。そんなときは温かいタオルで背中を一度覆っておき、それを取ってから始めると、体がずっと楽に手のぬくもりを受け入れてくださいます。座ることができる方なら、背中に枕を当てて座った姿勢で行っても構いません。無理に姿勢を変えるより、その方がいちばん楽な姿勢を見つけることが先です。
動作はシンプルです。両方の手のひらを肩の上に乗せ、首のほうから肩先へ向かってゆっくりとなで下ろすのを五回ほど繰り返します。次に、背骨の両脇に沿って、手のひら全体で上から下へ長くなでます。背骨の上は直接押さず、避けて通るのが原則です。最後に両手を肩にそっと置いたまま、三、四回一緒に呼吸を整えると、次の手順へ移るのにちょうどよい静けさが生まれます。
三つ目の手順、足とふくらはぎ ― そして布団をかけて締めくくる
最後は足とふくらはぎです。一日を耐えた体の重みを受け止めてきた場所なので、夕方になると足が冷たくて重いとおっしゃるお年寄りがたくさんいます。足は体からいちばん遠くにあり、自分ではケアしにくい場所でもあります。ですから、誰かが足を心を込めて包んでくれることは、思いのほか深い慰めとして届くこともあるのです。
足に触れる前に、私が必ず確かめることがあります。傷やひび割れたところはないか、いつもよりむくんでいたり色が変わっていたりするところはないか、押したときに痛がられるところはないか、です。こうした箇所が見つかったら、その部位には触れず、まずケアを担当している医療スタッフや担当者にお知らせします。マッサージは体を楽にして差し上げるケアの手であって、痛いところを治す方法ではない――その線をいつも守るようにしています。
特に異常がなければ、足を両手で包んでしばらくぬくもりを分かち合ったあと、親指で足の裏をかかとからつま先のほうへゆっくりとなでます。足の指は一本ずつ軽く包んで握っては離し、ふくらはぎは足首からひざのほうへ、手のひら全体でやさしくなで上げます。すべて終わったら、残ったオイルを乾いたタオルでそっと拭き取って差し上げ、温かい布団をつま先までかけて差し上げます。私はこの「布団をかけて差し上げる」ところまでを、マッサージの一つの手順だと考えています。手が離れたあとにもぬくもりが残っていてこそ、ようやく休息が完成すると信じているからです。
今日の心ケア実践
★☆☆今日すぐに:両手を十分にこすり合わせて温めてから、親御さんの片方の手を自分の両手のあいだに入れ、ゆっくり十数えながら静かに包んであげてください。次に、親指で手のひらの中央から外側へ、小さな円を五回描いて差し上げます。オイルがなくても大丈夫です。温かい手のぬくもりだけでも、心を和ませる助けになることがあります。
★★☆もう一歩進んで:手のひらにオイルかローションを硬貨くらいの量取って温め、①手を包む → ②指を一本ずつなでる → ③手首からひじまで長くなで上げ、軽くなで下ろす、を三、四回繰り返してください。反対側の腕も同じようにして差し上げます。その間、「このくらいで大丈夫ですか?」と時折お尋ねしてみてください。順番が決まっていると、お年寄りも次の手の動きを予想できるので、体の緊張を解く助けになることがあります。
★★★余裕のあるときに:照明を落としてタオルを用意し、手・腕 → 肩・背中 → 足・ふくらはぎの順に、全身を通して行ってみてください。どの部位も「押す」のではなく「なでる」ことを意識し、体の中心から外側へ、または下から上へゆっくりと動かします。最後に残ったオイルを乾いたタオルで拭き取り、布団をつま先までかけて差し上げて締めくくります。毎日同じくらいの時間に同じ順番で行えば、一日を閉じる小さな儀式のように、お互いにとって心地よい休息になってくれるはずです。
傷やあざ、むくみ、肌に異常のある箇所、または触れたときに痛がられる箇所は避けてください。持病がある場合や、いつもと違う変化が見られる場合は、まず担当の医療スタッフにご相談ください。アロマオイルは必ず薄く希釈し、まず肌に少量を塗って試してから使ってください。香りが苦手な場合は、無香料のローションでも十分です。
For more heart-care stories, visit the Korea Self-Healing Association.
Kim Mi-hee — aromatherapist, social worker, certified care worker, and hospital companion manager — draws on her own experience caring for aging parents to write practical, useful guidance for caregivers in the same situation. The Korean Today, Nam-Incheon.
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[ キム・ミヒ記者: incheonsouth@thekoreantoday.com ]
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