文 Columnist Kim Mi-hee

言えなかった一日が積み重なると
介護は体がつらい仕事でもありますが、心の中に言葉が積もっていく営みでもあります。親に怒ってしまったようで申し訳なく、それでいて疲れた気持ちをどこに打ち明ければいいのか分からず、飲み込んでしまう。こうして一日一日飲み込んだ言葉は消えることなく、肩や表情、口調に静かに染み込んでいくように思います。
よくある場面があります。夕食の片付けをしながら同じ質問に三度目の答えを返しているうちに、思わず声が大きくなり、すぐに後悔が押し寄せてくる瞬間です。そのあと皿洗いの間ずっと、心が重くなりますよね。そんな日は「どうして私はこうなんだろう」と自分を責めるより、気持ちを注ぐ場所がなくてあふれてしまったのだと、受け止めてみてほしいのです。
ですから、まずお勧めしたいのは「話す場」をあえてつくっておくことです。大がかりな相談でなくてもかまいません。今日つらかったことを一つ、信頼できる人に一、二文で伝えるだけでも、心がずっと軽くなる助けになることがあります。
聞いてくれる人がいるという感覚
人は、誰かが自分の話を最後まで聞いてくれると感じたとき、少しずつ緊張がほぐれていくものです。解決策が得られなくても、「自分だけじゃないんだ」という思いが、心に小さなゆとりを生んでくれることもあります。会話や心の支えが介護の負担に耐える助けになり得ることは、多くの方がすでに日々の暮らしの中で経験していることでしょう。
介護をしていると、交わす言葉のほとんどが「お薬飲みました?」「ご飯食べました?」といった確認にとどまります。必要な言葉ではありますが、こうした言葉ばかりだと、互いの気持ちを分かち合う隙間が狭くなります。親も介護を受ける立場を申し訳なく思って本音を言えず、介護する側も疲れたと口にできないまま、それぞれが黙り込んでしまうことが多いのです。
そんなときは、確認の言葉の間に、気持ちの言葉を一言はさんでみてはいかがでしょう。「今日は私もちょっと疲れちゃった、一緒にお茶でも飲みましょう」といった言葉です。薬を気遣う言葉より難しいですが、こうして一度開いた扉は、次の会話をずっと楽にしてくれるように思います。
助言より先に相づちを
家族の間の会話は、近しいぶん不器用になりがちです。心配のあまり「だから早く病院に行ってって言ったじゃない」と先回りして言うと、相手は心配よりもお説教として受け取ってしまうものです。逆に介護する私も、「大変だね」の代わりに「それでもこのくらいで済んでよかったじゃない」と言われると、かえって心を閉ざしてしまうことがあります。
ですから、会話の第一声は助言より相づちがいいのです。親が同じ昔話をまた持ち出したときは、「その話、前にも聞いたよ」の代わりに「あのころは本当に大変だったでしょうね」と受け止めてみてください。思い出を一緒にたどる時間は、親にとっても記憶を穏やかに取り出してみる時間となり、私にとってもひと息つく時間になります。
自分自身にも、同じやり方が必要です。自分に「もっと頑張らなきゃ」とせき立てていた言葉を、「今日もよく頑張ったね」に言い換えてみるのです。照れくさくても声に出して言ってみると、心の速度が少しゆるやかになるのを感じられるはずです。
ティーカップを二つ置く小さな儀式
私はアロマセラピストとして働きながら親を介護した時期を過ごしてきましたが、そのとき最も助けになったのは、特別な技術よりも一日一度の「座る時間」でした。決まった時刻にティーカップを二つ置き、温かいお湯を注ぐという単純なことが、介護モードからしばし離れて「一緒に座る人」に戻らせてくれました。湯気の立つカップを両手で包み込むと、体も心も少しゆるむような気がしたものです。
窓の外が曇っていてもかまいません。むしろ曇りの日のほうが、落ち着いた会話には似合うこともあります。この時間には用事の話はいったん脇に置いて、「今日は空が低いですね」「子どものころ、こんな日は何をしていました?」といった軽い言葉から始めてみてください。会話が長くなくても、毎日同じ場所で続けば、それ自体がお互いにとっての安心感になり得ます。
親と一緒に暮らしていない方もいるでしょう。そんなときは、向かいに置く二つ目のカップを、友人やきょうだい、あるいは電話の向こうの誰かを思い浮かべながら置いてみるのもいいと思います。電話をしながら同じ時刻にそれぞれお茶を飲むことも、小さなつながりになります。
一人で全部抱えなくても大丈夫です
会話が助けになるからといって、すべてを家族の中で解決しなければならないわけではありません。近しい間柄だからこそ話しにくいこともあり、そんなときは同じ境遇の隣人や介護の集まり、地域の相談窓口のような外の話し相手が、息をつく場所になってくれることもあります。助けを求めるのは弱いからではなく、長く介護を続けるための知恵だと私は考えています。
現実的には、「自分が休む時間」を先に家族に伝えておくのがいいでしょう。週に一度、一時間でもほかの家族に代わりにそばにいてもらい、その時間はまるごと自分のために使う、というやり方です。初めは申し訳なく、ぎこちなく感じますが、こうして生まれたゆとりが、結局は介護をより長く、より穏やかに続けさせてくれるのです。
そして、気持ちが長く沈んだままだったり、眠れない日が続いたりするなら、一人で耐えずに、近くの保健所や専門の相談窓口に話してみることをお勧めします。それもまた、自分をいたわることの一部です。
今日の心ケア実践
★☆☆今日すぐに:温かいお湯かお茶を二杯用意して、椅子にゆったりと座りましょう。両手でカップを包み込み、ゆっくりと三回息を吐いたら、向かいに座る方に(一人なら心の中で)「今日一日どうでしたか?」と一度だけ尋ねてみてください。温かいカップのぬくもりとゆっくりした呼吸が、体の緊張をほぐし、言葉を引き出す助けになることがあります。
★★☆もう一歩進んで:一日のうち時間を決めて、5〜10分「気持ちの言葉を一言」交わしてみましょう。まず「今日よかったことを一つ」話し、次に「少しつらかったことを一つ」話します。相手が話すときはうなずきながら最後まで聞き、第一声は「そうだったんですね」で始めてください。決まった順番があると気まずさが和らぎ、話を切り出しやすくなります。
★★★余裕があるときに:週に一度、一時間の「自分だけの休息時間」をカレンダーに書き込み、家族に伝えておきましょう。その時間には、好きな香りのハンドクリームを手にゆっくり塗ったり、窓の外を眺めながらお茶を飲んだりするのもいいでしょう。手をやさしくさすりながら香りで気持ちをなだめ、自分をいたわる時間があるという事実が、心にゆとりを残してくれるはずです。
この記事は日常の心のケアのための暮らしのお話であり、医学的な診断や治療に代わるものではありません。気持ちが長く重いままだったり、日常生活がつらいほどであれば、専門家に相談してみてください。
For more heart-care stories, visit the Korea Self-Healing Association.
Kim Mi-hee — aromatherapist, social worker, certified care worker, and hospital companion manager — draws on her own experience caring for aging parents to write practical, useful guidance for caregivers in the same situation. The Korean Today, Nam-Incheon.
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[ キム・ミヒ記者: incheonsouth@thekoreantoday.com ]
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