文 Columnist Kim Mi-hee

「年のせいだから」という言葉の陰に隠れる心
高齢の方の心が沈むとき、目に見える悲しみよりも、静かな変化として先に現れることが多いものです。涙を見せたり、つらいと口にしたりするより、元気が出ない、食欲がない、なんだか億劫だといった言葉で済ませてしまわれます。一生、子どもの前で弱い姿を見せまいと努めてきた世代だからこそ、心が痛いという言葉そのものが馴染みにくく、口にしづらい方が少なくありません。そのため、そのサインは「年のせい」という言葉の中に、たやすく埋もれてしまいます。
介護する家族も同じです。通院の予定や薬の管理、食事や家事の間を行き来していると、親御さんが最近少し静かだと感じても、「お年だから」と受け流してしまいがちです。私自身も親御さんを介護していた頃、体の症状には敏感に反応するのに、心の変化にはずいぶん後になってから気づいた覚えがあります。介護が長くなるほど、目の前のことに追われて人の表情を見る余裕が減っていくのは、誰のせいでもありません。
ですからまずお勧めしたいのは、「年のせい」という言葉をいったん止めて、もう一度よく見つめてみることです。今の親御さんが数か月前の親御さんとどう違うかを思い浮かべるだけでも、十分な出発点になります。一度きりの変化ではなく、似た様子が何週間も続いているかどうか。その流れを見守るまなざしこそ、家族だけが差し上げられる、いちばん身近なケアです。
体が先に語るサイン、寝床と食卓
心の重さは、しばしば体のリズムに先に表れます。介護の現場でよく語られるサインのひとつが、睡眠と食事の変化です。夜になかなか寝付けなかったり、明け方早くに目が覚めて寝返りを繰り返したり、反対に昼間も布団の中ばかりで過ごそうとしたりする様子が続くことがあります。食事もまた、好きだったおかずにも箸が進まなくなったり、食事を抜いてもお腹がすかないとおっしゃったりと、変わっていくことがあります。
こんな場面を思い浮かべてみてください。夕食をお出ししたのに、数口召し上がっただけで「口の中がざらつく」と箸を置かれます。翌朝お電話をすると、夜通し眠れなかったとおっしゃりながらも、たいしたことではないと笑って流されます。一日二日なら体調のせいかもしれませんが、こうした日が積み重なっていくなら、そこには別の物語が込められているのかもしれません。
もちろん、睡眠や食欲の変化は服用中の薬や他の健康問題とも関わることがあるため、家族が理由を決めつけることはできません。ただ、カレンダーや小さな手帳に「何度か目が覚めたとのこと」「昼ごはんを半膳残された」くらいに短く書き留めておくと、流れが見えてきます。この記録は、のちに医師や相談の専門家に会うとき、親御さんの様子を説明する大きな助けになります。心配を頭の中だけにしまっておくより、紙の上に出してみると、介護する人の心も少し軽くなります。
少しずつ小さくなる世界、引きこもりと無関心
もうひとつのサインは、親御さんの世界が少しずつ狭くなっていく様子です。好んで見ていたドラマをつけてもぼんやりしていたり、毎週通っていた老人会館や福祉館の集まりを、あれこれ理由をつけて休み始めたりします。電話をしても返事が短くなり、お孫さんの話にも以前のような嬉しそうな様子がありません。関心や人とのつながりがひとつずつ減っていくこの過程は、あまりにゆっくり進むため、近くにいる家族ほど見落としやすいものです。
話し方にも変化を感じることがあるでしょう。「私に何ができるというの」「何もかも面倒だ」「あなたたちの重荷になっているようで」といった言葉が頻繁に出るなら、聞き流さないほうがよいでしょう。表向きは無造作に投げた言葉に聞こえても、その中には自分を小さく思う気持ちが込められているかもしれません。ときには、沈んだ気持ちが苛立ちや過敏さとなって表れることもあり、つい心外な言葉を交わしてしまってから、遅ればせながら気にかかることもあります。
そんなとき、「どうして出かけないんですか」「少し動かないと」と急かすと、親御さんはかえって縮こまってしまいがちです。代わりに、親御さんが好きだったものを、小さな形でもう一度そばに置いて差し上げる方法をお勧めします。昔よく歌っておられた歌を一緒にかけたり、古いアルバムを取り出して「このときはどこでしたか」とお尋ねしたりするのです。大がかりな活動よりも、気負わずに留まっていられる小さな居場所が、閉じていきかけた心の扉を少し開いてくれることがあります。
気づいたなら、どう声をかけるか
サインに気づいたあと、いちばん難しいのは、どう話を切り出すかです。「お母さん、うつ病じゃないですか」という言葉は、心配から出たものであっても、聞く側には烙印のように感じられることがあります。高齢の世代にとって心の病は今も話しにくいテーマであり、子どもに心配をかけるという事実だけでも、ご自分を責めてしまうことがあります。ですから、診断の言葉よりも、観察と気持ちの言葉で近づくのがよいのです。
たとえば、こんなふうに始めてみることができます。「最近、夜よく眠れていないようで気にかかっていました」「ご飯があまり進まないようですが、どこか具合の悪いところはありませんか」と、目に映った様子を淡々とお伝えするのです。そして、答えを急いで引き出そうとせず、親御さんが話されるまで静かに待つ時間が必要です。すぐに胸の内を打ち明けてくださらなくても構いません。あなたが私を見てくれているのだという感覚だけでも、心は少し寂しさが和らぎます。
変化が数週間以上続いたり、日常生活が目に見えて大変そうだったりする場合は、家族だけで推し量らず、専門家の助けを借りてみることをお勧めします。普段通っておられる病院の主治医にまず相談したり、近くの保健所や精神保健福祉センターに相談を問い合わせてみたりするのも一つの方法です。その際、「検査を受けに行こう」というより、「最近よく眠れていないから、先生に一度聞いてみよう」というように、親御さんが受け入れやすい言葉でお勧めするとよいでしょう。書き留めておいた手帳を一緒に持って行けば、話がずっとスムーズになることがあります。
介護する人の心も、ともに見守ってください
親御さんの心を気にかけているうちに、肝心の自分の心は後回しになりがちです。親御さんの表情ひとつで一日の気分が上下し、私がもっとうまくやっていれば違ったのではないかという思いで夜眠れなくなることもあります。近くで長く介護する人ほど、その重さを静かにひとりで耐えていることが多いものです。けれど、介護する人の心が先に疲れ果ててしまえば、親御さんのそばに長くいることも難しくなります。
私は香りを扱う仕事をしているので、一日のうちほんの数分でも自分のために呼吸を整える時間がどれほど大切か、よく感じます。好きな香りを手首にそっと乗せ、窓を開けて深く息をするだけで、心がずいぶん和らぐ瞬間があります。それは何かを解決してくれる魔法ではなく、今日も頑張った自分にかける小さな挨拶に近いものです。親御さんに差し上げる温かさのひとかけらを、ご自身にも分けてあげてください。
そして、ひとりで背負わないでいただきたいのです。きょうだいと介護の話をし、信頼できる友人に胸の内を打ち明け、必要なら介護する家族のための相談を探してみるのも、勇気ある選択です。親御さんの心に気づくまなざしは、結局、自分自身の心に気づくまなざしとつながっています。互いのサインを読み取り合える家族になること、それが私たちがともに歩める介護の道だと信じています。
今日の心ケア実践
★☆☆「湯のみふたつの時間」——① 温かいお茶を二杯用意します。② 親御さんのそばの窓辺か食卓に並んで座ります。③ 最初のひと口を飲んだら、「今日の日差しはどうですか」などと軽くお尋ねします。④ 返事が短くても構わないので、10分だけそばにいます。何かを尋ねて解決しようとするより、一緒にいる時間そのものが心を和らげる助けになることがあります。
★★☆「手を取り合ってハンドクリーム」——① やわらかな香りのハンドクリームを豆粒ほど手のひらに取り、両手でこすって温めます。② 親御さんの手を両手で包み、手の甲をゆっくりさすります。③ 指を一本一本、付け根から先へやさしくなで上げます。④ 最後に両手をしばらくぎゅっと握ったまま、一緒に大きく三回息をします。肌を心地よくすると同時に、手を取り合う温もりが言葉より先に気持ちを伝えてくれることがあります。香りは親御さんがお好きなものを選び、最初はごく少量から試してみてください。
★★★「一緒に歩いて、一緒に書く」——① 日差しのよい日に、家の前や近所を10〜15分ほどゆっくり一緒に歩きます。② 歩きながら目に留まった花や看板、昔の町の話をします。③ 帰宅したら、手帳に今日の親御さんの睡眠・食事・気分を一行ずつ書き留めます。④ 似た変化が数週間続くようなら、主治医や近くの保健所・精神保健福祉センターに相談を問い合わせてみます。軽やかな外の空気と会話は気分転換の助けになることがあり、続けた記録は専門家と話すときの心強い道しるべになります。
この文章は診断を目的としたものではなく、家族が心を見守る際の参考としてお書きしたものです。親御さんが「死にたい」「消えてしまいたい」とおっしゃったり、ご自身を傷つけてしまうのではないかと心配になったりしたときは、ためらわずにすぐ医療機関や専門の相談機関に助けを求めてください。
For more heart-care stories, visit the Korea Self-Healing Association.
Kim Mi-hee — aromatherapist, social worker, certified care worker, and hospital companion manager — draws on her own experience caring for aging parents to write practical, useful guidance for caregivers in the same situation. The Korean Today, Nam-Incheon.
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[ キム・ミヒ記者: incheonsouth@thekoreantoday.com ]
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