本文へ移動
2026年10月18日日曜日 全記事 ログイン 会員登録 한국어 ENG 中文 日本語 Tiếng Việt
The Korean Today(コリアントゥデイ)海外支局 先着順 募集中! (新しいタブ)

WIA 三国志 365

[Day 30] 司徒の溜息(Book 1 フィナーレ)

一月 · 星が集まる | 約三分の読み

掲載 記事番号 50572
🏯

[Day 30] 司徒の溜息(Book 1 フィナーレ)

一月 · 星が集まる | 約三分の読み

삼국지 365 · Day 30 · Book 1「星が集まる」
삼국지 365 Day 30 헤더 일러스트

長安(ちょうあん)。洛陽より遥(はる)か西の都城。この処に、董卓(とうたく)が席を据えたり。己(みずか)らを「尚父(しょうふ)」と呼ばしめ、長安より二百五十里の隔たりたる席に、郿塢(びう)と申す家を建てたり。城壁が長安と同じ高さにして、内側に、二十年分の糧と、美女八百名とが、閉じ込められおったのである。

ある日、董卓が百官の宴にて、司空張温(しくうちょうおん)を引きずり下して、参首(ざんしゅ)したり。暫(しば)しの後、侍従(じじゅう)が紅き盤の上に、張温の頭を載せて、捧(ささ)げたり。董卓が笑みつつ、ひと言を取り出したり。「諸公、驚き給う事勿(な)かれ。無辜(むこ)にあらざれば、心配し給う事勿かれ。」

その夜、司徒(しと)王允(おういん)が、己が家へと戻り来たった。今日の酒席を、ひと度ひと度に、繰り返し思いつつ、座(ざ)するも立つも能(あた)わざりき。夜が更けて、月が清く照らす刻(こく)に、杖を突きて、家の後ろの後園(こうえん)へと、歩み出(い)でたり。荼蘼花(とびか)の棚(たな)の傍らに立ちて、天を仰ぎ見つつ、永らく涙を流したのである。

その時、牡丹亭(ぼたんてい)のほうより、長き溜息が、漏れ来たった。王允が、足音を殺(ころ)して、そのほうへと近づき行きたり。低き溜息は、若き女人(にょにん)の声にてあった。亭の内側に、若き女人ひと人が、立ちおったのである。王允が幼き頃より、己(みずか)らに養い来たり、歌舞(かぶ)を教え来たれる人。名は貂蟬(ちょうせん)。年は十六。この家門の歌伎(かぎ)にてあった。

王允がしずかに口を開きたり。「賤(いや)しき子(こ)よ。あるいは、私(わたくし)の情(じょう)あるか。」貂蟬が驚きて、膝を屈(くっ)したり。「いかでか私の情を抱き申さん。ただ——近き頃、御方様(おかたさま)の両眉が、しばしば憂(うれい)にて、しかめられ給う事をば、見奉り申せり。必ずや国の大事の故と為すれども、賤婢(せんぴ)が敢えて伺い得ざりたるなり。万一、御方様が、それがしに、用ゆ事ましまさば、万死(ばんし)にても、辞さざらん。」

王允が、杖にて地を、大きく突き突きたり。「誰(た)が、漢(かん)の天下が、この小さき子の手の内側に、掛かりおりたるを、知らんや。」彼が貂蟬を書斎へと連れ行きて、侍従らをことごとく退(しりぞ)かしめたり。貂蟬を前に座(ざ)らしめて、その前に、深く頭(こうべ)を、垂れたり。貂蟬が大いに驚きて、地に伏したのである。

「汝が、この漢の億万の蒼生(そうせい)を、憐(あわ)れみ給え。」王允の眼より、涙が泉のごとく、流れ出(い)でたり。「賊臣董卓が、今や王位を簒奪(さんだつ)せんと致す。董卓には義子(ぎし)呂布あり、養父と呂布の二人ともに、色を好む者なり。我、今、連環計(れんかんけい)を用いんと致す。汝を先(ま)ず呂布に約束し与え、後に董卓に献ずる。汝がその真ん中にて、機を捉(とら)えて、二人の父子の間を、引き裂き、ついに呂布をして董卓を斬らしむれば、この大いなる悪が、絶(た)たれん。」

삼국지 365 Day 30 중간 일러스트

貂蟬が、暫し答えざりき。両眼の内側へと、今宵初めて見たる、長き路が、しずかに過ぎ行きたり。さらに、深く頭を、垂れたのである。「賤婢、すでに万死を辞さじと、申し上げ奉り申せり。速やかに、この身を、二人へと、順に献じ給え。賤婢、自ら、路を、開きて見申さん。」

王允が、彼女の手を取りたり。指先が、彼女の指先よりも、却(かえ)って、いっそうに震えたり。「事が漏れ出(い)でなば、この家門が、滅び申さん。」「御方様。憂い給う事勿かれ。賤婢、この大義を、成し得ざらば、万本(まんぼん)の刀刃(とうじん)の下にて、死し申さん。」

その夜、王允の書斎の灯火(ともしび)ひとつが、夜どおし、消えざりき。月が西へと傾きおったのである。夜露(よつゆ)が、後園の荼蘼花の上に、ひと度ずつ、降り立ちおったのである。牡丹亭の傍らの溜息は、もはや、聞こえざりき。ただ、ひと若き女人が、今宵、己が名「貂蟬」(ちょうせん)の三字を、口の内にて、しずかに転(ころ)がし見おったのである。その名の末にて、小さき暁の星が、両眼の内側に、しずかに浮かび上がりおったのである。

Book 1 「星集まる」の三十番目の最後の夕が、長安の後園の荼蘼花の棚の傍らと、牡丹亭の傍らとの二席にて、しずかに深まりゆきつつあった。嘆中種(たんちゅうしゅ、溜息の中の種子)の三字が、司徒の溜息の内側に、連環のひと結として、植えつけられ、若き女人の口の内側に、己(みずか)らの名が、ひと息の種子として、転がされおったのである。

今宵、Book 1 の三十の席が、天に向かいて、集(つど)いつつあった。東南の桑(くわ)(Day 1)より、桃園の三杯(Day 4)まで、名の上らざる功(Day 5)より、柱に掛けたる印章(Day 7)まで、十匹の蠅の宮(Day 9)より、西涼の足跡(Day 11)まで、赤兎の値(Day 13)より、二度父を改めたる人(Day 15)まで、短刀の計(Day 16)より、十七筋の檄文(Day 20)まで、温(あたた)かなる杯(Day 21)より、三英会(Day 23)まで、洛陽の火(Day 25)より、界橋の橋(Day 29)まで。三十のひと息が、今宵、司徒の溜息の内側のひと種子へと、集(つど)いつつあった。星集まる Book 1 の最後のひと息にてあった。

明日 Day 31 より、Book 2 「月下の女人」の最初の暁が、開かれることと為る。

—

삼국지 365 Day 30 마무리 일러스트
“

✒️ 平訳家の一言 — 延三欽博士(Yeon Sam-Heum, Ph.D.)

深き溜息の内側に、ひと種子が隠(かく)れおる夜があり申す。その溜息が、若き女人の短き溜息と、同じ後園の気の内側にて、出会いて、ひと結の路が、開かるる席にござる。大いなる計(はかりごと)が、大いなる声より生まれ申さず、長き溜息の内側にて、しずかに、ひと種子として、植えつけらるる夕にてござる。今宵、貴方の溜息の内側にも、小さき種子が、もしや隠れおりたまわぬか。その種子の結を、ひと結いっそうしずかに覗き見られてはいかがであろう。Book 1 の三十のひと息が、今宵、貴方の溜息の内側に、集(つど)い来たらん事を、願い奉り申す。

📅 明日 Day 31 · Book 2 「月下の女人」 Day 1:月下の女人

「Book 2 の最初の暁。月光の下の後園に、ひと若き女人が、立ちおりたのである。彼女の名が、貂蟬にてあった。連環の最初の歩みが、今日、月光の結の上に、降り立ちつつあった。Book 1 「星集まる」の三十の席が、今暁、Book 2 の最初の歩みの後ろのほうに、しずかに立ちおったのである。」 — 平訳家 延三欽博士

平訳 — 延三欽 平訳家 · Sam H. Yeon, Ph.D. · 延三欽博士

© The Korean Today 無断転載・再配布禁止。

関連記事

延三欽 平訳家

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *

韓国語を無料で学ぼう — あなたの言語で言語ごとに無料のYouTubeチャンネル。毎日新しい言語を追加中。 YouTube · @wiakoreanja ↗ソウルのホテルWIA Trip · 24wiatrip.com ↗