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WIA 三国志 365

[Day 39] 北掖門の突き

二月 · 主なき刀 | 約三分の読み

掲載 記事番号 51155
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[Day 39] 北掖門の突き

二月 · 主なき刀 | 約三分の読み

삼국지 365 · Day 39 · Book 1「星が集まる」
삼국지 365 Day 39 헤더 일러스트

明けたる日の暁(あかつき)、長安の北掖門(ほくえきもん)の前にて、画戟(がげき)が、過ぎし夕の童(わらべ)らの童謡(どうよう)よりも、いっそうに遅れて、ひと人の頸(くび)のほうへと、ゆるりと、上り行きおりたのである。

董卓(とうたく)が、日の明(あ)くる前に、儀仗(ぎじょう)を整えて、朝廷へと、向かいたり。路の傍らに、道人(どうじん)が、立ちおったのである。青き布(きれ)に、白き巾(はばき)を結びて、長き竿(さお)一筋を、取りおりたのである。竿の先に、ひと丈ばかりの布が、結ばれおり、布の両端に、各々(おのおの)「口(くち)」の字が、大きく書かれおったのである。董卓が、李粛(りしゅく)を、振り返り見たり。「あの道人は、何の意(こころ)にて、ござるか。」李粛が、低く答えたり。「心病(しんびょう)の人にて、ござる。主公、お気になさるる事勿(な)かれ。」軍兵らが、道人を、片方へと、押し退(の)けたり。ただ、その竿の布が、風に広(ひろ)げらるる、そのひと刹那、二つの「口」が、ひと席に、並びて重なりて、「呂(ろ)」の字の形を、ひと息に、為(な)して、消えたのである。

車が、朝廷の正門の前に、至りたり。李粛が、宝剣(ほうけん)一振を、手に取りたるままに、車の輪の傍らに、寄り添いて、董卓を、扶(たす)けて、歩み入り行きたり。北掖門(ほくえきもん)に至れば、軍兵らが、皆な、門の外にて、止まりたり。車の傍らの二十余名のみが、共に、門の内側へと、入り行きたのである。

殿門(でんもん)の前に至りて、董卓が両眼を、上げて、前を見たり。王允(おういん)と、傍らのひと群れの人々とが、各々(おのおの)宝剣を取りて、殿門の左右に、立ちおったのである。董卓の顔(かんばせ)が、堅く成りたり。「宝剣を取りおる事は、何の意にてござるか。」李粛が、答えざりき。手が、ただ、車の輪を、ひと足、前のほうへと、しずかに、押したのである。

삼국지 365 Day 39 중간 일러스트

王允が、その刹那、大いに、叫びたり。「逆賊(ぎゃくぞく)が、ここに来たれり。武士、いずこに在らんや。」北掖門の両方の柱の後ろより、百余名の武士らが、一斉に、回り出(い)でたり。槍(やり)と槊(そう)とが、上り掲(かか)げられたり。槍の先が、董卓の胸のほうへと、一斉に、突き入り来たった。

董卓の朝服(ちょうふく)の内側に、厚き甲(よろい)ひと重(かさね)が、当てられおりたのである。槍の先が、甲に阻(はば)まれて、跳ね出(い)でたり。ただ、彼のひと腕に、傷が、引かれたり。その腕の力が、解(と)けて、身が、車の上にて、崩れて、地に落ちたり。彼の口より、大いなる声が、北掖門の石床(いしどこ)を、響かしたり。「我が子、奉先(ほうせん)は、いずこに在(おわ)し申すか。」

そのひと言が、終わる前にてあった。車の後ろのほうより、ひと人が、影のごとくに、歩み出(い)でたり。手に、画戟が、握られおったのである。左の腕の内側の紅きひと筋が、暁の日差しの下にて、冷たく、煌(きら)めきたり。呂布(りょふ)にてあった。

ひと歩み、董卓の前へと、歩み来たった。声が、北掖門の石床の上を、低く、明らかに、押したのである。「詔(みことのり)あり、逆賊を、討つなり。」画戟が、直(じか)に、董卓の頸(くび)のほうへと、突き入り行きたり。画戟の先が、その頸を、貫(つらぬ)きたり。

暁の北掖門の前の気が、完全に、止まりたり。李粛の刀が、後ろより、飛び来たりて、董卓の頭を、斬りて、手の上に、上り掲げたり。呂布が、左手に画戟を取りたるままに、右手を、懐の内側へと、入れたり。詔書ひと巻が、手の上に、上り来たった。大いに、開きて広げ、より大いなる声にて、叫びたり。

「詔を奉じて、逆賊・臣(しん)董卓を、討つなり。その他の者ら、問い申さず。」将吏(しょうり)らが、一斉に、「万歳」を、叫びたり。叫びが、北掖門の廊下(ろうか)の内側より、大きく、東の宮殿の檐(のき)の端まで、響き行きたのである。

Book 2 の九度目の暁が、北掖門の石床の上にて、しずかに、開かれたり。北掖一(ほくえきいち、北掖門のひと度の突き)の三字が、都城の大いなる太師の頸が、画戟の先の下にて、止まりたるひと息の種子として、植えつけられつつあったのである。Day 38 の 千里草(せんりそう)の二字が、今暁、画戟のひと突きにて、現実と為りおったのである。

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삼국지 365 Day 39 마무리 일러스트
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✒️ 平訳家の一言 — 延三欽博士(Yeon Sam-Heum, Ph.D.)

大いなる人のひと身が、画戟の先の下にて、止まる暁があり申す。昨夕の童(わらべ)らの童謡の二字が、今暁、ひと突きの現実へと、変ずる席にござる。今暁、貴方の席にも、昨日の歌詞が、今日の現実へと、変ずるひと息が、もしやおありにならぬか。その変じの結を、しずかに、覗き見られてはいかがであろう。

📅 明日 Day 40:郿塢城の灯火

「董卓の命が、北掖門にて止まりたる、その暁の後、長安の軍が、郿塢城へと、駆け行きたり。城壁の内側の灯火が、消え行きつつあった。ひと女人の姿勢が、郿塢城の門の前にて、待ちおったのである。」 — 平訳家 延三欽博士

平訳 — 延三欽 平訳家 · Sam H. Yeon, Ph.D. · 延三欽博士

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