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WIA 三国志 365

[Day 124] 予言の若き謀士

掲載 記事番号 58648
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[Day 124] 予言の若き謀士

五月 · 三度目の戸 | 約三分の読み

삼국지 365 · Day 124 · Book 1「星が集まる」
삼국지 365 Day 124 헤더 일러스트
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十張の鋪紙の中(うち)の最初の張が、曹操(そうそう)の机の上に、お上り給いたる明けたる日の早き、二番目の鋪紙が、お達(たっ)し給いたり。

二番目の鋪紙は、最初の鋪紙よりも、短かりき。最も上に、三つの文字が、ござりたり。

遼東候(りょうとうこう、遼東を、お待ち給う)。

その下に、郭嘉(かくか)の手にて、六行(ろくぎょう)が、整(ととの)いて、お記し給われおったのである。六行の全(すべ)てが、ひと文段(もんだん)の呼吸のごとく、お繋(つな)がり給いおったのである。曹操は、その六行を、ゆっくりと、お読み給いたり。二度(ふたたび)、お読み給いたり。三度目(みたびめ)に、お読み給う時、彼の右の眉(まゆ)が、軽く、お震(ふる)え給いたり。

六行の内容は、かくのごとくにてあった。

第一に。鄴城(ぎょうじょう)が、お陥落(かんらく)給いたる後、袁尚(えんしょう)は、お死に給うこと、ござり申さず。兄弟の二男(じなん)袁熙(えんき)と共に、北のほうへと、お走り給う事と、為(な)り申さん。

第二に。両人の歩みの、お向(むか)い給う席は、遼東(りょうとう)の公孫康(こうそんこう)に、ござる。

第三に。公孫康は、両人を、嬉(うれ)しく、お迎え給う事、ござり申さず。ただ、表面(ひょうめん)にては、お迎え給うふりに、ござり申さん。

第四に。主公におかせられては、遼東を、直(じか)に、お打ち給うこと、無きように。お打ち給わば、公孫康が、両人と、手を、お握り合わせ給う、ござる。

第五に。お打ち給わざらば、公孫康が、自(みづか)ら、両人の頸(くび)を、お切(き)り給いて、主公の本陣へと、お送り給う事と、為り申さん。

第六に。その日が——今日より、二年半(にねんはん)の後、建安十二年(二〇七年)の夏に、ござる。

曹操は、鋪紙を、机の上に、お降ろし置き給いて、永く、お動き給うを、お得ざりおりたのである。

本陣の幕屋の外側にて、荀彧(じゅんいく)が、しずかに、お入り給いたり。曹操は、鋪紙を、荀彧に、お渡し給いたり。荀彧は、その六行を、お声なく、お読み給いたり。お読み給いたる後、彼もまた、永く、お動き給うを、お得ざりおりたのである。

「文若(ぶんじゃく)。奉孝(ほうこう)のこの鋪紙が、今日、本陣の最も、しずかなる張に、ござるな。」

「丞相(じょうしょう)。この鋪紙のひと張のみを以て——我らは、これより、二年半の間、遼東の方向へと、兵士、ひと人も、お動き給わざる結意を、お下し給うを、お得(う)る、ござる。」

「さやうに、為り給う、ござる。ただ——奉孝が、この鋪紙を、お記し給う時、彼の手が、お震(ふる)え給わざりたるかや、それがし、今朝、それを、お問い置き給わんと、欲す。」

삼국지 365 Day 124 중간 일러스트

曹操は、本陣の外へと、お出(い)で給いて、郭嘉の天幕のほうへと、歩みを、お移し給いたり。雪が、お降り給いおったのである。昨夜よりも、少しく、厚く、お積(つ)まり給いたる雪が、本陣の路の上に、しずかに、お載(の)り給いおったのである。郭嘉の天幕の前に、お達し給いたるその時、郭嘉は、既(すで)に、お起き給いおったのである。右の手の手袋(てぶくろ)を、お外(はづ)し給いて、代わりに、左の手にて、墨を、お磨(す)り給いつつあったのである。

「奉孝。今日は、三番目の鋪紙か。」

「さやうに、ござる、主公。」

「二番目の鋪紙が、あまりに、明らかにて、それがし、暫(しば)し、お言葉を、お失(うしな)い給いたり。いかにて、二年半の後の事を、お記し給うを、お得(う)給いしか。」

郭嘉が、軽く、お笑(わら)い給いたり。お笑いは、小さかりき、されども、温かかりき。

「主公。二年半の後を、お見給いたるにあらず、公孫康とのお人のお意(こころ)の内側を、お見入(い)れ給いたるのみに、ござる。人のお意は、大きく、お見給わば、三年以上、宜(よろ)しく、お動き給わざる、ござる。公孫康の今日のお意が、二年半の後の彼のお意にもまた、ござり給う、ござる。」

曹操が頭を、お首肯(しゅこう)し給いたり。予言は、大いなるものに、あらざりき。ひと人のお意を、永く、お見入れ給いたる者が、そのお意が、ある時間の間、宜しく、お動き給わざる事を、まづ、お気付(きづ)き給いたる事のみにてあった。

「奉孝。さや、ござれば、十張の鋪紙の最後の張に、お記し給われ給うべき『南のひと男』のお名は——汝(なんじ)が、既に、お見入れ給いおるひと人のお意の内側に、ござり給うか。」

郭嘉は、お答え給わざりき。筆を、お降ろし給いて、両手を、膝(ひざ)の上に、お合(あ)わせ給いたり。永き、後にて、しずかに、ひと言を、お致し給いたり。

「主公。その南のひと男は、今日、それがしが、未(いま)だ、お名を、正確(せいかく)に、お呼び給うを、お得(う)ざる人に、ござる。ただ——その人が、いつの日か、軍師(ぐんし)ひと人を、傍(かたわ)らに、お置き給う時、その軍師の計策が、今日のそれがしの計策の結に、お似(に)給う事と、為(な)り給う、ござる。その呼吸が、主公の陣営に、お達し給う時、主公におかせられては——今日のこの鋪紙を、いま、ひと度(たび)、お思い起こし給え。」

曹操が、ゆっくりと頭を、お首肯し給いたり。彼の右の眉が、いま、ひと度、軽く、お震え給いたり。窓の外の雪が、いま、本陣の屋根の上にて、しずかに、いっそう、お厚く、為り給いつつあったのである。

その明けたる日の朝、三番目の鋪紙が、曹操の机の上に、お上り給いたり。三番目の鋪紙のお題は、短かりき。

江東主周(こうとうしゅしゅう、江東のお主は、周瑜に、ござる)。

十張の鋪紙は、かくして、ひと日(ひとひ)に、ひと張ずつ、曹操のひと年(ひととせ)を、予(あらかじ)め、お描(えが)き始めたり。雪の、お降り給う本陣のいずれの片隅(かたすみ)にて、若き謀士(ぼうし)の左の手が、毎朝、墨を、お磨り給いおったのである。右の手の手袋は、依然(いぜん)として、厚かりき。厚き手袋の内側にて、彼の指は、毎日、少しずつ、いっそう、細くなり給いつつあったのである。

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삼국지 365 Day 124 마무리 일러스트
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✒️ 平訳家の一言 — 延三欽博士(Yeon Sam-Heum, Ph.D.)

予言は、概(おおむ)ね、大いなるものに、あらざる、ござる。ひと人のお意の内側を、永く、お見入れ給いたる者が、そのお意が、ある時間の間、宜しく、お動き給わざる事を、まづ、お気付(きづ)き給いたる事——それ以上にても、それ以下にてもあらざる、ござる事、多き、ござる。今日、貴方の傍(かたわ)らにも、永く、お見入れ給いたる人のお意が、もしや、ござらぬか。そのお意の次なる三年を、貴方は、いかほどに、正確に、お見渡し給うを、お得(う)給うか。お見渡し給うを、お得(う)給わば——その、お見渡しが、次の三年の貴方の最も堅き鋪紙と、お為り給う、ござる。

📅 明日 Day 125:十張の遺書(いしょ)

「七番目の鋪紙までは、予測にてあり、八番目より、結意にてあった。郭嘉の左の手が、最後の二張を、お記し給う前に、本陣の雪が、お止(や)み給いたり。」 — 平訳家 延三欽博士

平訳 — 延三欽 平訳家 · Sam H. Yeon, Ph.D. · 延三欽博士

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